あの時。

  俺が勝手に皆連れて、出て行ったから。

  侮っていたから。

  自惚れていたから。

  甘えていたから。

  「だから。」

  しなくていい傷を。

  癒えない傷を。

  (もう二度と御免だ。)

  親しい人が。

  目の前で傷つく姿を見るのも。

  親しい人が。

  目の前で命の灯を消すのも。

  親しい人を。

  どうしようもない程憎むのも。

  親しい人に。

  どうしようもない程憎まれるのも。

  (繰り返さない。)

  例え、それが無謀な事であるとしても。

  例え、気にしないと言われたとしても。

  ほんの少しでも、傷つくかもしれないのなら。

  ほんの少しでも、悲しむのならば。

  命を賭してでも。

  絶対に。

  「だからっ!」

  魔法力が尽きようとも。

  敵の攻撃が己が身を穿とうとも。

  手が血に染まっても。

  「来い!」





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